【ダンス参加のための座位保持付きおみこしの製作】
概要:脳性マヒの障害を持つ方で, 四肢マヒ. 体幹は弛緩しており, 座位保持が困難. ダンスパフォーマンスライブに参加するため,
本人を乗せたまま担ぎ上げ, 安全に上下左右に揺らしたりすることのできるおみこしが欲しい.
対応:体幹保持が可能な張り調整付きシートタイプのシャワーキャリーを利用して, 座位保持を可能とし, それに担ぎ上げ用フレームを製作し取り付けた
(図 4). ダンスの練習も含め当日のライブにも参加し, 仲間と共に十分楽しむことができた (図 5).

図 4 製作した座位保持付きおみこし

図 5 ダンスパフォーマンスの様子
【コミュニケーション拡大のための入力デバイスおよび周辺機器の試作】
概要:脳性マヒの方. 電動車いすや直接入力式の会話補助装置を足の動きで操作している. コミュニケーション手段を拡大するため, パソコンでメールや Web
閲覧等をしたい.
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対応:パソコン用入力デバイスとして足の動きで操作できるジョイスティク型コントローラを試作するとともに, マウスエミュレータおよびソフトキーボードを導入し,
文字入力およびマウス操作ができるようにした. ソフトキーボードはジョイスティックによる操作回数を軽減するため, 文字予測変換機能の付いたものを選定した
(図 6). 現在試用評価とともに, ジョイスティック型コントローラのスイッチ位置等の検討を行なっている. (現在継続中)

図 6 試作した PC 用入力デバイス
3) 就労支援機器の相談
【スイッチを利用した作業参加のための支援機器の製作】
概要:知的障害者授産施設からの相談. ふきんの製造 (裁断, 縫製, 袋詰め, 梱包等) を行なっている. 施設には重度身体障害との重複障害を持つ方も通所しているので,
何らかの作業に関われるようにしたい.
対応結果:施設職員とともに対象者の身体状況と作業工程内容を確認した. スイッチ操作でベルトコンベアを動かし次の工程へ流すという作業を, 適合した操作スイッチの選定とベルトコンベア運転のための制御回路の製作を行なうことで,
本人ができるようにした (図 7, 図 8). 制御回路は不随意運動による誤操作をなくすために, 遅延回路およびワンショット出力回路を組み込んだ.
利用者は作業に参加することができるようになったが, 今後はスイッチを使った他の作業や活動への応用を検討している. (現在継続中)
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