
図 1 検討中のモジュラー式車いす
【学習活動を保障するためのパソコン入力デバイスの選定】
概要:脳性マヒの障害を持つ小学生. ジョイスティックによる電動車いす操作は可能であるが,
上肢は不随意運動や可動域制限があり, 筆字等の巧緻性を要求される作業は困難.
視覚は視力が低く視野制限もある. パソコンを利用して作文を書く等の学習活動をしたい.
対応:上肢の不随意運動等に対応するため, キーガード付大型キーボードを適用した (図 2).
視覚障害に対応するため音声読み上げソフトウェアを導入し,
入力した文字をその都度音声で確認フィードバックできるようにした. 行政機関ケースワーカと共に対応し, 日常生活用具等給付制度 (身体障害者福祉法)
を含む IT 関連機器の助成制度利用も検討. (現在継続中)

図 2 大型キーボードの適用
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2) 社会参加活動のための支援機器
【スポーツ用補助具の試作】
概要:脳性マヒの障害を持つ方で, 障害者スポーツの一つである“ボッチャ”の競技者. 四肢マヒがあり, 手でボールを投げることが難しく, 介助者および何らかの補助具の使用が必要である
(ボッチャ競技クラス BC3 に相当7)). ランプス (勾配具) が車いすに固定された状態でランプス先端を介助者が容易に可動でき, かつ, 利用者の身体状況に合ったボール出しができるようにしたい.
対応結果:ランプスおよび周辺補助具の試作を行なった. ランプス固定具は高さ・前後方向とも調整可能な構造とし, ランプスも上下左右とも取付け部周りに可動し,
狙った方向に可動する構造を持つ (図 3). 利用者は主に肩の水平伸展, 外旋による大まかな上肢の動きでボールを前方に押すか, 頚部の伸展によって顎でボールを押し出す動きでボール出しができるようにした.
県内の大会, 日本ボッチャ選手権等への参加をした.

図 3 ボッチャ用補助具の試作
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