研究報告

実践的活動を通したアシスティブテクノロジー (支援技術)に関する
機器および要素技術の研究 研究代表者:渡辺 崇史
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(2) 施設等からの相談対応結果
  相談施設数 8 件に対応し, 相談のべ回数は 14 回であった (表 3, 表 4). 個人相談と同じく継続的に相談を受け, 相談記録を残したか, 継続中の相談事例である. 来所・訪問相談とも 愛知・岐阜県内施設の対応である.

表3 施設等からの相談対応結果
相談施設数:8 施設  
相談のべ回数:14 回 <内訳>来所面接:2 回, 訪問相談:11 回, その他:1 回
平均相談回数 (相談回数/相談施設数) =1.75 回
       (最大 3 回) ※継続中も含む

表 4 相談施設の属性
施 設 属 性
施 設 数 (件)
身体障害・知的授産施設
3
小規模作業所
2
障害児者通所施設
1
療育センター
1
大学
1

 

(3) 相談内容の分類
相談内容の分類を表 5 に示した. 一人の相談に対して, 関連した複数の福祉用具や支援機器の相談を受けている. 表 5 において, のべ件数合計 210 件に対し, コミュニケーションエイド (18%), 操作スイッチ (16%), パソコン関連 (16%), 補助用具 (14%), 姿勢保持・座位保持用具 (9%), 移動用具 (5%) の順に多かった.
(4) 適合相談の実践例

1) 障害児への相談対応 【学校での活動拡大のための座位保持装置を備えた車いすの適合】 概要:脳障害後遺症による四肢マヒおよび言語障害を持つ学生. 自ら座位姿勢を保持することが困難で反射による過緊張あり. 学校での活動を拡大するために姿勢を保持し, 活動内容によっては座位姿勢をとれるようにする等, 姿勢変換もできるようにしたい.
対応:モジュラー式車いすを適用し, 身体状況に合った車いすアライメント調整を行なった. アンカーサポート (骨盤後傾防止) 付ジェルタイプ座クッションおよび骨盤サポート, 体幹サポート付バックレスト, 頭部サポートを備えた座位保持装置を適用し調整した (図 1).
 今後は, 担任教諭等とともに学校活動の中でモニタリングを行ない, 補装具給付制度 (身体障害者福祉法) を利用し, 導入予定. (現在継続中)
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表 5 相談内容の分類(数値はのべ件数)
機 器 分 類
件数
内    訳
  個人 施設等
装具
3
頚椎カラー 3  
移動用具
11
車いす 11  
移乗用具
7
ベッド用・トイレ用リフト 7  
姿勢保持・座位保持用具
18
  18  
ベッド関連用具
2
  2  
排泄用具
2
  2  
コミュニケーションエイド

注)VOCA:音声出力会話補助装置
38
VOCA・電話・その他補助用具等
重度障害者用意思伝達装置
呼び出し装置
23
6
8
3
操作スイッチ
34
  34 2
パソコン関連
34
入力デバイス
ソフトウェア
ハードウェア
23
5
5
1
自助具
11
趣味・個人的活動
食事・調理
整容・着衣
パソコン操作
4
2
2
3
 
補助用具
29
移動用具 (自転車)
車いすに付属されるもの
学習活動
趣味・個人的活動
環境制御・電気製品操作
パソコン操作の環境整備
介助犬および利用者用
介助者向け

2
9
1
5
3
4
2
3

 
スポーツ用具
8
  8  
身体介助方法
1
 

1

 
施設改修
2
    2
就労用支援用具
9
    9
学習支援 (パソコン)
1
ボランティアによる継続的支援   1

Copyright(C):2006, The Research Institute of System Sciences, Nihon Fukushi University