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日本福祉大学の創立50周年記念事業の一つとして始まったエッセイコンテストも6回目を迎え、全国から寄せられた作品の数は、今年も9,000点を超えました。
ご応募いただいた高校生の皆さんにまずお礼を申し上げるとともに、日頃から熱心にご指導くださっている先生方をはじめ、この企画を支えていただいている数多くの皆様方に重ねてお礼を申し上げます。
応募作品の水準は年々高まっているように感じられ、最終審査で入賞作品を絞り込むために、審査員の諸先生には長時間にわたって熱のこもった意見交換をしていただきました。新鮮な視点に立って書かれた若い高校生の皆さんの優れた作品をめぐって意見を交わすことは、審査員にとっても良い意味での刺激となり、嬉しいことでもありました。
最近になって、介護労働の厳しい現実や、社会保障制度への国民的信頼を根底から覆す年金データの改ざんなど、社会保障・社会福祉のマイナス・イメージにつながるような報道がつづくなかで、現場での人材難や若者の「福祉離れ」が広がっているといわれます。
誰もが幸せを願う同じ思いを抱いているはずなのに、現実には、「人間の福祉」の実現を妨げる状況が生み出されています。そのような時代であるからこそ、「人びとの幸せ」を何よりも大切にする思想を育み、福祉文化を社会に根づかせていかねばなりません。
次代を担う多くの若い皆さんがこのコンテストに参加するなかで、人と人との暖かなふれあいやつながりに目を向け、また体験の中で生れた社会への疑問を率直にぶつけることを通じて、「人間の福祉」への関心を広げ、福祉文化を育てる土壌をより豊かなものにして下さることを願っています。
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