科目名 | アディクションと生きる社会を考える |
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単 位 数 | 学年配当 | 開講期間 | 担 当 教 員 |
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2 | 1 | 通年開講 | 田中 和彦 |
テーマ |
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アディクションをもつ人と共に生きる社会のためにソーシャルワークが何をすべきかを考察する |
科目のねらい |
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<キーワード> アディクション ネットワーク ソーシャルワーク 社会変革 <内容の要約> 「アディクションをもつ人とのかかわりは難しい」と言われることが多くあるが、本当にそうなのだろうか。そうだとしたら、何が困難であり、私たちは何に困っているのか。そして本当に困っているのは誰なのだろうか。本科目はそのような問いを常に意識したい。2010年代に入ってから、アルコール健康障害対策基本法をはじめとする依存症に関する法制度が整備されつつあり、特にアルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル等依存症を中心に依存症対策として国や都道府県レベルで取り組まれるようになってきた。しかし、いまだ治療や支援にかかわる機関や専門職の中には、アディクションへの忌避感情が根強く残っている。繰り返される「支援者から見た」不健康な行為、アディクションをもつ人の治療や支援に対する抵抗や拒否、否認の感情に向き合う支援者たちは、「私たちがかかわっても何も変わらないのではないか」という無力感にさいなまれる。 本科目では、ソーシャルワークのミクロ・メゾ・マクロの視点を用い、その行動の意味を理解する視点の獲得と、かかわり、地域におけるネットワーク形成、回復者との協働、社会政策のあり方について議論していく。そしてアディクションをもつ人と共に生きる社会のためにソーシャルワークが何をすべきかを考察する。 ●精神科医療機関(診療所)で精神保健福祉士として勤務した経験のある教員が、精神保健福祉やソーシャルワークに関する講義を行う。 【日程・スクーリング会場】 https://www.nfu.ne.jp/open/image/lesson/schooling_schedule.pdf ※変更の場合は随時お知らせします <学習目標> アディクションをもつ人への理解とかかかわりをソーシャルワークの視点から説明できる。 アディクションを取り巻く社会の変遷、政策の現状と課題について説明できる。 アディクションをもつ人と共に生きる地域や社会づくりに取り組む素地を作ることができる。 |
授業のながれ |
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2日間のスクーリングの日程については、1ヶ月程度前にnfu.jpで案内する |
準備学習の内容・学ぶ上での注意 |
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事前レポートとして「アディクションのある人へのかかわりの必要性についてソーシャルワークの視点から論じたうえで、自身の支援者としての課題を述べなさい」というテーマで1200字程度のレポートの提出を求める。 さらに受講決定後、以下の事前課題に取り組むこととする。 【アディクション】 ・エドワード・J・カンツィアン、マーク・J・アルバニーズ著、松本俊彦訳『人はなぜ依存症になるのか 自己治療としてのアディクション』2013、星和書店 ・成瀬暢也『アルコール依存症治療革命』2017、中外医学社 ・松本俊彦、古藤吾郎、上岡陽江編『ハームリダクションとは何か 薬物問題に対する、ある一つの社会的選択』2017、中外医学社 ・ダルク編『ダルク 回復する依存者たち その実践と多様な回復支援』2018、明石書店 ・成瀬暢也『ハームリダクションアプローチ』2019、中外医学社 ・松本俊彦、佐久間寛之、蒲生裕司編『やってみたくなる アディクション診療・支援ガイド』2021、文光堂 ・中村英代『依存症と回復、そして資本主義 暴走する社会で<希望のステップ>を踏み続ける』2022、光文社 ・樋口進監修『アルコール・薬物・ギャンブル・ゲームの依存ケアサポート 保健・医療・福祉のために』2023、講談社 ・市川岳仁『アディクト(依存者)を超えてーダルクの体験を経た9人の<越境者>の物語』2024、明石書店 ・赤坂真理『安全に狂う方法ーアディクションから掴みとったこと』2024、医学書院 ・こころの科学2024年9月号 通巻 237号 ≪特集≫病気未満のアディクション 適応と依存症のあいだ、2024、日本評論社 【ソーシャルワーク】 ・山本由紀編著、長坂和則著『対人援助職のためのアディクションアプローチ 依存する心の理解と生きづらさの支援』2015、中央法規出版 ・大谷京子、田中和彦『失敗ポイントから学ぶPSWのソーシャルワークアセスメントスキル』2018、中央法規出版 ・青木聖久、田中和彦編『現代版 社会人のための精神保健福祉士 あなたがソーシャルワークを学ぶことへの誘い』2020、学文社 ・大嶋栄子『生き延びるためのアディクション 嵐の中を生き延びる「彼女たち」へのソーシャルワーク』2019、金剛出版 ・坂本いづみ、茨木尚子、竹端博、二木泉、市川ヴィヴェカ著『脱「いい子」のソーシャルワーク』2021、現代書館 「アディクションとソーシャルワーク」の単位を修得していること、もしくは履修中であることが望ましい。 |
事前事後 | 学習内容 | 時間数 |
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事前 | 【必須】事前レポートの作成「アディクションのある人へのかかわりの必要性についてソーシャルワークの視点から論じたうえで、自身の支援者としての課題を述べなさい」(1200字程度) | 10 |
事前 | 【必須】事前に提示する課題図書からアディクション、ソーシャルワークに関する文献を読み、自身の考えについてまとめていく。 | 10 |
事後 | アディクションに対する社会のまなざしについて意識し、自身の活動現場でできる取り組みや社会づくりへの取り組みを考察する。 | 10 |
本科目の関連科目 |
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精神障碍者と福祉実践T 精神障碍者と福祉実践U アディクションとソーシャルワーク アディクション領域の経験を有する援助者の支援論 精神医学からみたアディクション |
成績評価の方法 |
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講義への取り組み状況、1日目終了時レポートと科目修了試験の内容を総合的に勘案して評価する。また、本科目ではグループでの取り組みを重視している。そのことからグループ活動への参加は必須とする。評価基準はA(100〜80点)、B(79〜70点)、C(69〜60点)を合格、D(59点以下)を不合格とする。 |
テキスト |
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□テキストを使用する ■レジュメを使用する □未定 (最初の授業で指示する) |
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