科目名 精神医学からみたアディクション

単 位 数 学年配当 開講期間 担 当 教 員
2 1 通年開講 常岡 俊昭

テーマ
「アディクション治療」の実態を知り、持続可能な介入方法を模索していく

科目のねらい
<キーワード>
アディクション  依存症
介入  精神医学

<内容の要約>
精神医学において「アディクション治療」はここ数年で革命が起きている。 底つき体験が必須と言われたアルコール依存症治療にも、早期発見・早期介入の必要性が指摘されている。処方薬依存・市販薬依存の問題は、薬物依存症を司法の範疇と考えることを不可能にした。ギャンブル障害など精神医学の重箱の隅でほとんど誰も認識していなかった疾患が、IR法案によってアルコールや薬物とならぶ依存症として治療の必要性が広まった。また、これらのアディクション問題には、うつ病・統合失調症・発達障害など多くの一般精神科が対象としてきた疾患が合併することが明らかになってきた。これら「依存症/アディクション」の治療対象の変化・広がりは、今まで専門病院だけで人知れず行われていた依存症治療を、一般精神科病院でも最低限は行わざる得ないものへと変化させた。またSBIRTS(エスバーツ:Screening:飲酒スクリーニングテスト、Brief Intervention:簡易介入、Referral Treatment:専門医療機関、Self-help group自助グループ)に代表される医療機関と自助グループの連携の必要性も再度指摘されている。一方で、すべての医師・病院が革命に対応できているわけではなく、対応できるか否かは医師やPSWなど個人の動きに頼っている部分も大きい。 本講義の目的は、専門病院でない精神科病院であっても、地域資源が不足している地域であっても、その場その場で持続可能なアディクションへの最低限の介入方法を自ら模索・構築できる能力を育成することにある。

<学習目標>
アディクションについての医学的知識が分かる。
アディクションの治療の必要性と置かれた環境下に適した治療方法を複数説明できる。
アディクションをもつ人を地域で暮らす人として、かかわりや治療・支援について説明できる。

授業のながれ
第1章 その場で今からできる治療法とは
第2章 アディクションとは  〜自己治療仮説と第1章 一般病院で行うアディクション治療:100点を目指さず1点を
第3章 アディクション治療の変遷
第4章 当院での治療の必要性
第5章 入院患者用プログラム作成
第6章 入院プログラムを開始して
第7章 開始後の紆余曲折
第8章 専門外来開始
第9章 外来でSMARPP開始
第10章 ギャンブルなど新しい依存症
第11章 依存症治療に対する新しい試み
第12章 アディクション治療を始めて
第13章 QA+まとめ

準備学習の内容・学ぶ上での注意
添削課題を受けることで、テキストで学んだ内容の理解度を確認することができます。添削課題は80%以上の正答率で合格となります。

事前事後 学習内容 時間数
事前 推薦図書をはじめとした関連分野の書籍を手に取ってみる。 10
事後 テキスト、学習指導書で復習する。 8
事後 興味をもった講に関して学習を深める。 10

本科目の関連科目
 

成績評価の方法
期末試験(筆記・Web・レポート・最終授業内) 100%
授業内でのレポート・課題等 0%
その他  0%
すべての添削課題に合格後に受験する科目修了試験により合格を判定する。評価基準はA(100〜80点)、B(79〜70点)、C(69〜60点)を合格、D(59点以下)を不合格とする。

テキスト
■テキストを使用する
□レジュメを使用する
□未定 (最初の授業で指示する)
<著者>常岡俊昭 <テキスト名>『僕らのアディクション治療法』 <出版社>星和書店
<著者>常岡俊昭 <テキスト名>『精神医学からみたアディクション』 <出版社>本学オリジナル学習指導書



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