単位数 | 学年配当 | 開講形態 | 教員名 |
2 | 2 | 土曜集中 (後期) | 中 島 理 暁 |
テ|マ | 感染症対策における倫理的・法的・社会的諸問題の検討 |
本講義ではケーススタディとして、 人類を脅かし続ける感染症、 中でも世紀の疫病であるHIV/AIDS感染症への法的・政策的対応を取り上げ、 その倫理的側面を検討します。 AIDS・マラリア・結核の3大感染症による昨年1年間の死者は、 全世界で570万人に達しました。 この20年間にHIVウイルスに感染した人は、 5,600万人を超え、 うち既に2,180万人が亡くなっています。 現在も世界中で1日に約8,500人がHIVウイルスに感染し、 そのうちの1,000人は子どもです。 このように深刻な公衆衛生上の危機を政策面から解決しようと試みる際には、 実に様々な倫理的軋轢が生じます。 公共政策を形成する上で考慮すべき倫理的諸問題を、 生命倫理学 (バイオエシックス) の分析枠組を軸に、 医療社会学・医療人類学・医学医療史・国際関係論などの諸領域の知見も動員して多角的な視点から分析し、 どのような歴史的・経済的・政治的・社会的力学や価値体系が作用して、 感染症をめぐる人間の苦悩が形作られているのかを考察します。 |
1 公衆衛生問題への生命倫理学的接近 2 歴史のなかの感染症 〜ハンセン病・結核・コレラ・性感染症への法的・政策的対応の国際比較 3 病いの語りを聴く 〜人間の苦悩としてのHIV/AIDS 4 HIV/AIDSの現代史 〜HIV/AIDSの社会的文化的構築 5 先進諸国におけるHIV/AIDS予防・治療をめぐる倫理的諸問題 6 発展途上国におけるHIV/AIDS 〜貧困・薬物依存・感染拡大の連鎖 7 Harm Reductionアプローチ 〜健康の自己責任論を超えて 8 人間の安全保障とHIV/AIDS 〜国連AIDS特別総会・九州沖縄サミット感染症イニシアチブ 9 生命倫理の政治経済学的位相 〜AIDS治療薬の特許をめぐる攻防 10 公衆衛生政策における人権と公共の福祉の両立へ向けて |
講義中に、 ドキュメンタリー・映画などを鑑賞した上でその内容に関するミニレポートの提出を求めるので、 全4日 (12時限) 出席する必要があります。 また、 前期土曜日集中開講科目 「生命と倫理」 も履修しておくと、 より一層理解が深まるでしょう。 |
平常点 60% (講義中に課されるミニレポート) 期末レポート 40% |
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