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【2026年度版】社会福祉士国家試験 合格のための学習戦略

2025.07.22

1. 【2025年総括】社会福祉士国家試験の動向を読み解く

 2025年度の第37回社会福祉士国家試験は、これまでと異なる動向が目立った年となりました。特筆すべきは、受験者数の大幅な減少です。例年4万人前後が受験する中、2025年度はわずか27,616人。これは前年よりも6,923人も少なく、過去20年で最低水準となりました。
 
 一方、合格率は例年通り50?60%台に留まり、極端に難化したわけではありません。しかし、受験者層の質の変化や、大学?養成施設での教育のあり方に対する再検討の動きが伺えます。
 
 社会福祉士国家試験の特徴として、試験科目は共通科目と専門科目に分かれ、合計18科目群が出題対象になります。マークシート形式で全129問、合格基準は総得点の60%前後に設定されており、さらに特定の科目群で著しく点数が低いと“足切り”となる可能性もあるため、広範な知識とバランスの取れた対策が求められます。

2. 【2025年の出題傾向】注目されたテーマと科目

2025年度試験では、特に以下のような傾向が見られました:
● 法改正?制度関連の出題が増加
2023年?2024年に施行された法改正内容が、各科目に反映される形で出題されました。特に「社会保障」「介護保険制度」「成年後見制度」など、福祉実務に直結する法制度が具体的な事例問題とともに問われたのが印象的です。
●ケース形式の出題がより実践的に
相談援助の分野では、利用者との関わり方や援助過程を問うケース問題が増加傾向にあります。単なる知識だけでなく、「場面を読み解く力」「支援の選択肢を適切に評価する力」が求められており、現場感覚を持った解答力が問われる設問が目立ちました。
●専門科目における細分化されたテーマ
高齢者福祉や障害者福祉の分野では、行政計画や地域支援体制などマクロ視点の設問が強化されています。現場での対応に加え、「制度の設計思想や目的」を理解しているかどうかが評価ポイントになっています。

3. 【今やるべき】授業+自己対策で補強すべき学習

 社会福祉士試験の受験資格は大学または指定養成施設での課程修了が前提であるため、多くの受験生は学校で一定の教育を受けています。しかし、国家試験の出題範囲すべてを授業だけで網羅するのは現実的に困難です。以下は「授業では不足しがちな分野」と「自己対策すべき理由」です。  
●弱点となりやすい科目群
  1. 「心理学理論と心理的支援」:文系学生には理解が難しい分野。学術用語の理解と応用が鍵。

  2. 「社会調査の基礎」:出題数は少ないが、正答率が低く足切りリスクが高い。

  3. 「現代社会と福祉」:時事性が強く、最新動向を押さえていないと対応しにくい。

●自主学習で補うべき戦略
  1. 過去問演習を通して出題パターンと頻出テーマを把握する。
  2. テキストに載っていない最新の制度改正や実務的知識をWeb等で調べておく。
  3. 模試を受験して、自身の弱点を早期に発見し、重点的に補強する。

4. 【これが差をつける】オンライン教材?外部講座?SNS活用術

●専門講座で補完的に学ぶ
 多くの教育機関やオンライン学習サービスでは、社会福祉士国家試験に特化したカリキュラムが提供されています。要点整理、頻出テーマの解説、模試などが体系的に利用でき、授業だけでは補いきれない部分を効果的に学ぶことができます。 
●SNSや学習グループで情報交換
 X(旧Twitter)やInstagramでは、試験勉強中の受験生がハッシュタグで学習進捗を共有しています。他人の学習スタイルを参考にしたり、モチベーション維持のために仲間を見つけることも有効です。また、YouTubeには社会福祉士試験に関する解説動画や勉強法を紹介するチャンネルも多く存在し、視覚的に理解を深める補助教材として非常に役立ちます。 
●自分に合うツールを見極める
  1.  過去問アプリ:通勤?通学時間に活用
  2. 語呂合わせ暗記カード:心理や統計の用語暗記に効果的
  3. 模試サイト:定期的に腕試しして学習成果を可視化

5. 【試験日から逆算】6か月スケジュールと月ごとの戦略

●8月?10月:基礎理解と全体把握
  1. 教科書?授業ノートをベースに全体構造を掴む
  2. 苦手分野を「放置せずに確認する」意識を持つ
  3. 同時に過去問に1回目として軽く触れて出題傾向を知る
●11月?12月:過去問演習と弱点補強
  1.  本格的な過去問演習を実施(3年分×3回転)
  2. 不正解だった問題を記録して、ノートにまとめる
  3. 法改正や最新制度の要点を整理
●1月:総まとめと本番形式模試
  1. 模試を使って時間配分や精神的準備を強化
  2. 苦手分野の「最終確認」リストを作成
  3. 本番の持ち物や健康管理にも着手

6. まとめ|制度を理解し、出題傾向に対応した人が合格する!

 社会福祉士国家試験に合格するためには、学校や養成施設の授業をしっかり活用しつつ、それだけに頼らず「出題傾向に合わせた戦略的な補強」が重要です。
 
 2025年度のデータと傾向をふまえ、2026年試験では「法改正への理解」「相談援助のケース対応力」「専門科目のマクロ的視点」などが差を生むポイントになると予想されます。
 
 計画的に、かつ柔軟に学習を進め、確実に合格をつかみましょう。

7. 講師からの応援メッセージ

受験勉強はいつ始めていただいても、間に合わない、ということはありません。
コラムを読んで、気持ちが少し動きましたら、まずはできることを始めてみましょう。
がんばる皆さんを応援しています。講師 飯塚慶子
飯塚 慶子
合同会社飯塚事務所
慶応義塾大学文学部卒業、政策?メディア研究科修士課程修了。
全国社会福祉協議会中央福祉学院卒業。社会福祉士、公認心理師、介護支援専門員(ケアマネジャー)。

http://keikoiizuka.com/
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